琉球処分とその影響
1871年に全国で廃藩置県を実施した日本の明治政府は、1872(明治5)年、琉球王国を強制廃止して琉球藩を設置した。 これは琉球国を国家としてではなく令制国として扱うという形を取った物である。しかし清はこの日本の政策に反発、琉球は古来中華帝国に服属していたものとして、琉球の領有権を主張した。 (wikipedia)
1871(明治4)年、琉球王国の首里王府に年貢を納めて帰途についた宮古、八重山の船4隻のうち、宮古船の1隻が台湾近海で遭難し、漂着した69人のうち3人が溺死、生存者のうち54名が台湾の生蕃(原住民)によって殺害されるという事件が起こっている。
1874(明治7)年の台湾出兵における交渉に於いて日本は、清朝側から「台湾の生蕃曽て日本国属民等に対し妄りに害を加えたるを以て」という解答を引き出した。琉球王国(この時琉球藩)に属する人民を「日本国属民等」と認めさせたのである。
これを言質として、1875(明治8)年、日本は琉球に清朝との朝貢、冊封関係の廃止、明治年号の使用などを要求し、一方的に押しつけた。琉球側は抵抗を示すも、清朝との関係は途切れていく。
1877(明治10)年、清朝から外交使節として日本に派遣されていた何如璋は、朝貢が阻止されたことを重大視し、本国にくり返し武力も辞さない強攻策を進言した。李鴻章は、何如璋をなだめ、交渉を継続させた。 1878(明治11)年、何如璋からの強硬な抗議に対して態度を硬化させた日本は、翌1879(明治12)年、首里城を接収し、沖縄県令を置いた。琉球処分である。
以下は、何如璋からの抗議文である。
『・・・日清両国は修好条規を結んで以来、従来に増して友好を深めてきた。その第1条には「両国所属の邦土は、各々礼を以て相持つ、互いに稍も侵越有るべからず」といっており、両国は当然しっかり守らねばならない。これは貴国もご存じのはず。いましも琉球を欺き侵し、擅(ホシイママ)に旧来の決まりを変えたなら、わが清朝のみならず、琉球と条約を結んでいる国々にも、顔向けができまい。・・・さしたる理由もないのに条約を破棄して、小国を圧伏するのは、状況をみても公法に照らしても、世界が聞けば、貴国のそんな行動に反対するだろう。』
何如璋は、ここでも日清修好条規を論拠にしており、一連の李鴻章の路線が踏襲されている。
そして、「この方法では属国を保持していくことはできない」ことに気づく。琉球よりも一層重大な朝鮮に関して、清朝は、もはやこの方法をとらない。日本の朝鮮に対する進出を、ことごとく軍事的手法によって排除していくことになる。
1871(明治4)年、琉球王国の首里王府に年貢を納めて帰途についた宮古、八重山の船4隻のうち、宮古船の1隻が台湾近海で遭難し、漂着した69人のうち3人が溺死、生存者のうち54名が台湾の生蕃(原住民)によって殺害されるという事件が起こっている。
1874(明治7)年の台湾出兵における交渉に於いて日本は、清朝側から「台湾の生蕃曽て日本国属民等に対し妄りに害を加えたるを以て」という解答を引き出した。琉球王国(この時琉球藩)に属する人民を「日本国属民等」と認めさせたのである。
これを言質として、1875(明治8)年、日本は琉球に清朝との朝貢、冊封関係の廃止、明治年号の使用などを要求し、一方的に押しつけた。琉球側は抵抗を示すも、清朝との関係は途切れていく。
1877(明治10)年、清朝から外交使節として日本に派遣されていた何如璋は、朝貢が阻止されたことを重大視し、本国にくり返し武力も辞さない強攻策を進言した。李鴻章は、何如璋をなだめ、交渉を継続させた。 1878(明治11)年、何如璋からの強硬な抗議に対して態度を硬化させた日本は、翌1879(明治12)年、首里城を接収し、沖縄県令を置いた。琉球処分である。
以下は、何如璋からの抗議文である。
『・・・日清両国は修好条規を結んで以来、従来に増して友好を深めてきた。その第1条には「両国所属の邦土は、各々礼を以て相持つ、互いに稍も侵越有るべからず」といっており、両国は当然しっかり守らねばならない。これは貴国もご存じのはず。いましも琉球を欺き侵し、擅(ホシイママ)に旧来の決まりを変えたなら、わが清朝のみならず、琉球と条約を結んでいる国々にも、顔向けができまい。・・・さしたる理由もないのに条約を破棄して、小国を圧伏するのは、状況をみても公法に照らしても、世界が聞けば、貴国のそんな行動に反対するだろう。』
何如璋は、ここでも日清修好条規を論拠にしており、一連の李鴻章の路線が踏襲されている。
そして、「この方法では属国を保持していくことはできない」ことに気づく。琉球よりも一層重大な朝鮮に関して、清朝は、もはやこの方法をとらない。日本の朝鮮に対する進出を、ことごとく軍事的手法によって排除していくことになる。
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