めんどくせぇことばかり ギリシャ神話『世界の5大神話入門』 中村圭志
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ギリシャ神話『世界の5大神話入門』 中村圭志

イザナミは、カグツチを生んだ際のやけどで命を落とした。

イザナミは死んで黄泉の国へ行ってしまう。イザナギは生きた身体のまま、イザナミを追って黄泉の国へ行き、イザナミを連れ戻そうとする。しかし、すでに黄泉の国の食べ物を食べてしまったイザナミは、再び生の世界には戻れない。イザナミは黄泉の国の神に相談に行く。「その間に、私の姿を見ようとしないでね」と言い残して。

なかなか戻らないイザナミにやきもきして、イザナギは言いつけを破ってイザナミの姿を見てしまう。それは、生々しい“死”の実体だった。イザナギは衝撃を受けて、逃げ出す。それに気づいたイザナミが、怒り狂って追いかけてくる。

アポロンから竪琴を賜ったオルフェウスは歌い手として、演奏者として並ぶものがないといわれるほどすぐれていた。誰もが彼の楽の音に聞き惚れた。ところが、妻のエウリュディケが、言い寄るアリスタイウスから逃れようとして、うっかり蛇に噛まれて死んでしまう。

冥界に去ったエウリュディケを連れ戻すために、オルフェウスは地下世界に下りていった。冥界の川を渡り、亡者たちの世界に入り込んだ。亡者たちはオルフェウスの楽の音に聞き惚れた。さらには冥界の王ハデスもオルフェウスの歌に耳を傾けた。

オルフェウスは、ハデスがペルセポネを思うように、自分もエウリュディケを思っていると歌った。ハデスは心を動かされ、エウリュディケを連れて帰ることを許可した。「ただし・・・」とハデスは言った。「地上に出るまで後ろを振り返ってはならない」

暗い坂道をどこまでも登りながら、オルフェウスは妻が本当についてきているか、次第に心配になった。そして結局、彼は愛するものの姿を確かめようと、振り向いてしまう。妻はいた。しかしその姿はみるみる遠ざかり、「さよなら」という声を残して見えなくなった。

日本神話の黄泉の国も、ギリシャ神話の冥界も、どうも地獄というのとはだいぶ違うようだ。人が死ぬと、ヘルメスやタナトスに案内されて冥界に行く。ステュクスというこの世とあの世を隔てる川があって、その支流の一つアケロン河を渡ってあの世に渡る。その時、カロンという渡し守がいて、渡し賃も決まっているそうだ。

イザナギが黄泉の国に行くのに川を渡った様子はないが、日本でもあの世に行くのに渡る川があるよね。そう、三途の川。カロンに当たる渡し守は知らないが、渡し賃は六文で、これがないと身ぐるみ剥がされたそうだ。

ちなみに、六文銭は真田氏の旗印だな。

ここまで共通点があると、なんだか、関連性がないと考える方が難しい。この本の著者は、「超古代にさかのぼる両神話の元ネタがあったのかもしれない」と書いている。

だけど、アカイア人、イオニア人がギリシャに定住するのが起源前1500年頃でしょ。民族の移動や定住の過程で、神話が語られるようになったなら、遅くても紀元前1000年頃には、ある程度の物語は伝えられたろう。





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神話的思考は現代でも生きている。ときには現実の政治にも姿を現わす
第1章 日本神話
第2章 ギリシャ神話
第3章 インド神話
第4章 中東神話
第5章 北欧神話
第6章 その他の神話
第7章 神話とは何か?


それが極東にまで伝えられる機会があったとすれば、やはりヘレニズム以降の話になる。

中でも、面白いのはミスラ神。ペルシャの、ずいぶん古い英雄神のようだけど、その名には“契約”、“約束”という意味があるという。ゾロアスター教が確立する中で軽んじられるが、やがて、アフラ・マズダと同等、あるいは表裏一体の神と考えられるようになった。

ローマではミトラ教として信者を集めた。ミトラ教は太陽神ミトラスを信仰する宗教として、1世紀から4世紀にかけては、キリスト教の勢いを上回ることもあるほど盛んだったようだ。

ミトラ教においては、太陽神ミトラスは1年に1度、冬至の日に生まれ変わるという考えがあり、12月25日に冬至祭を祝った。キリスト教がヨーロッパ世界で支配的になっていく中で、ミトラ教の冬至祭がキリスト教の中に取り入れられ、後付けで、イエスの誕生日ってこじつけたんだろう。

このミトラ教の宗教体系が仏教の中に取り入れられ、キリスト教の救済のイメージと重なってが菩薩信仰につながったのかもしれない。ブッダ入滅の56億7千万年後にこの世界に現れ、人々を救うマイトレーヤ、日本で言うところの弥勒菩薩の誕生だな。

ミスラ神、ミトラ神、ミトラス神が入って来ていて、ギリシャ神話が入ってきていないという方が考えづらいだろう。

さて、先に挙げた冥界の王ハデスだけど、ゼウス、ポセイドンと同じく、クロノスとレアの夫婦から生まれている。豊穣の女神であるデメテルもそう。

ゼウスとデメテルの間にはペルセポネという娘が生まれ、豊穣の女神デメテルと穀物の霊であるペルセポネは、セットとして人々に尊崇された。

ところが、ゼウスの思いつきで、ペルセポネをハデスの妻にすることが決まり、花を摘んでいたペルセポネが、突然地が裂けて現れたハデスに連れ去られてしまう。

愛する娘を失ったデメテルは、神殿の奥に引きこもってしまう。豊穣の女神が姿を隠したことで、飢饉が世界を覆い尽し、困惑したゼウスは妥協策を出して、年に3分の1の冬の間だけ、ペルセポネはハデスの妻として冥界で暮らすことになる。

これも、天照大神の天の岩戸神話と、大変によく似ている。



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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本






























































































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