めんどくせぇことばかり 『地政学世界地図』 バティスト・コルナバス
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『地政学世界地図』 バティスト・コルナバス

オリンピックを見るということは、体に悪い。

日本で行なわれている大会だというのに、遅い種目は一〇時を過ぎる。常ならば午後八時ころに床に入る私は慢性的に寝不足状態。おまけに午後五位以降は酒を手放さない毎日を送るため、飲み過ぎも続いている。オリンピックは命を縮める。

おまけに、応援している日本選手が力を発揮できずに負けようものなら、かたわらの連れ合いが脱力したため息とともに不満を口にする。日頃、連れ合いへの不満は口にしない私だが、あまりにも選手が不憫で、ついつい一言。・・・そして一〇倍の反撃を喰らう。

やはりオリンピックは体に悪い。

選手のことを、最近はアスリートと言うらしい。金メダルを取った日本人アスリートを、NHKが朝早いニュース番組に呼びつける。指して時間を取っているわけでもない。インタビューはほんのいくつか。先日、一三歳と一六歳のアスリートが朝早くからNHKに呼びつけられて、とても嫌そうな顔をしていた。

そう言えば、日本人のアスリートにはいないようだけど、最近のアスリートは入れ墨が好きなようだ。古代の日本においては、入れ墨は海人族の魔除けとして珍しいものではなかった。時代が下っては、ヤクザ者が、それで男気を示した。

彼らは男気を示しているわけでも、海人族でもなさそうだ。なかには、漢字で「家族」と胸に入れ墨を入れている柔道家もいた。家族思いなんだろうか。

オリンピックを見ていると、海外の不思議な文化に出会えて面白い。

領域の西側をバルト海に面し、リトアニアとポーランドの挟まれているのが、カリーニングラードというロシアの飛び地がある。ドイツ語ではケーニヒスベルクという。

西暦一〇〇〇年頃まで、ここにはアーリア系のバルト人が住んでいた。隣人のポーランドは、バルト人のカトリック化を試みるが、逆に攻め込まれる始末だった。

一二三〇年、ポーランドはドイツ騎士団に助けを求めた。当時のドイツ騎士団は、神聖ローマ帝国に永住できる場を求めていた。ポーランド人は、バルト人を追い払ってそこに住んだらどうかと提案し、神聖ローマ皇帝フリードリヒ二世はそれを許可した。さらにドイツ騎士団は、教皇セレスティヌス三世からも許可を得て、征服を正当化した。一三〇〇年時点でリトアニア人をのぞくすべてのバルト人はドイツ騎士団の支配下に置かれ、改宗もしくは虐殺を選択させられた。



『地政学世界地図』    バティスト・コルナバス

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ドイツ騎士団は、リトアニア大公国、ポーランドと興亡を繰り返した。一五二五年、ドイツ騎士団国家はプロイセン公国に生まれ変わる。一六一八年にはブランデンブルク選帝侯領と合併してブランデンブルク・プロイセンが誕生する。この国はその後一世紀にわたって成長を続けた。一七〇一年、スペイン王位継承戦争で兵力を必要としていた神聖ローマ皇帝は、兵力提供と引き換えに、この国をプロイセン王国に格上げすることを了承した。

一八七一年に成立したドイツ帝国は、このプロイセン王国を土台にした。第一次世界大戦で敗北したドイツは、その領土を大幅に削られた。その際、帝国は崩壊してワイマール共和国に生まれ変わった。アルザス・ロレーヌはフランスに取られ、海へのアクセスが保証されるダンツィヒ周辺の領土はポーランドのものとなった。これによって東プロイセンはドイツと切り離され、そこに生まれた細長いポーランド領は、“ポーランド回廊”と呼ばれた。

第二次世界大戦後、東プロイセンの北部はソ連のものになった。ソ連はピラウとケーニヒスベルクの二つの不凍港を手に入れた。ケーニヒスベルクというドイツ的な地名はソ連最高会議幹部会議長ミハイル・カリーニンにちなんで、カリーニングラードと解消された。

一九八九年から一九九〇年のドイツ再統合の際、ドイツはこの地に関する権利を放棄した。

二〇〇四年、バルト三国はスロバキア、ポーランド、チェコ、ハンガリー、スロベニアとともにEUに加盟した。さらに二〇〇七年、ブルガリアとルーマニアが加わり、二〇一三年にはクロアチアも加わった。これら一連の動きは、影響力を維持したいロシアに恐怖を与えた。いっときはロシアと欧州の協力の象徴であったカリーニングラードは、徐々にかつてのソ連衛星国を取り込もうとするEUと対峙するロシア側の抵抗の最前線となった。

二〇一四年、国際社会は認めていないが、クリミアは自己決定の国民投票を行なった上でロシアに併合された。一九九四年、ロシアは米国、英国と、ブダペスト覚書に署名している。これはベラルーシ、カザフスタン、ウクライナの独立と主権と既存の国境を尊重することを約束したもので、クリミアの併合は、明らかにそれに反している。

ロシア側の言い分は、以下のようなものである。ソ連崩壊の際、ロシアは再建目的のために国連から財政支援を受ける約束を取り付けている。しかし、これが受けられなかった。NATOはロシアの影響圏を保持するために、旧ソ連衛星国は加盟させない約束をしていたが、二〇〇四年にバルト三国がNATOに加盟している。

オリンピックを見ていると、ただならぬものを感じる。

そう言えば、どこかの国の柔道選手が、イスラエル選手と対戦することを避けるため棄権した。



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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本


































































































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