めんどくせぇことばかり 『新・戦争論』 佐藤優 池上彰
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『新・戦争論』 佐藤優 池上彰

《日イスラエル間包括パートナーシップ》
二〇一四年五月、安倍首相とネタにエフ首相が会談し、発表された共同声明によれば、以下のような約束が成された。

「日本の国家安全保障局とイスラエルの国家安全保障会議間の意見交換の開始を歓迎し、イスラエルで次回会合を実施することを確認」した。これで、日本政府の諸機関と、モサド(諜報特務局)、アマン(軍事情報部)との長年の交流が一層強化される。

「両国の防衛協力の重要性を確認し、閣僚級を含む両国の防衛当局間の交流拡大で一致し、自衛隊幹部のイスラエル訪問」が確認された。具体的には、イスラエルの進んだ兵器のノウハウを、日本が導入する可能性がある。

「サイバーセキュリティーに関する協力の必要性を確認し、両国の関係機関間で対話を行なうことへの期待を表明」した。これで、世界最先端の能力を有するイスラエルのサイバー技術を日本の政府機関に導入する可能性が生まれた。

さらに二〇一七年、双方閣僚級の経済政策対話が行なわれ、上記三部門の協力の状況はより現実に近いものとなっていっている。そういう開発を、イスラエルは日本と組んで進めようとしている。

まさに、日本の中東政策の全面転換と言っていい。

これ以降、イスラエルとの関係は、いよいよ深まっている。二〇一七年五月には、世耕大臣イスラエル訪問時の「日イスラエル・イノベーション・パートナーシップ」に関する共同声明を受け、日本・イスラエル・イノベーションネットワーク(JIIN)が設立された。JIINは、政府の各種支援策や関連イベント情報の発信を始め、ミッションの派遣や受入、ビジネスマッチングの支援など、企業の交流を推進するプラットフォームであり、ジェトロが事務局を運営している。

二〇一九年一月には、テルアビブおよびエルサレムで両国政府・JIIN加盟団体の主催による「日本・イスラエルフェスティバル」が開催され、日本から約100社、約200名がイスラエルを訪問している。

イスラエル側からは、二国間貿易のさらなる拡大に向けて、日イスラエル自由貿易協定(FTA)が必要との意見がみられた。得よう国の関係は、ますます深まることだろう。


『新・戦争論』  佐藤優 池上彰


文春新書  ¥ 913

確実にやってくる「サバイバルの時代」を生き抜くためのインテリジェンス
序章 日本は世界とズレている
第1章 地球は危険に満ちている
第2章 まず民族と宗教を勉強しよう
第3章 歴史で読み解く欧州の闇
第4章 「イスラム国」で中東大混乱
第5章 日本人が気づかない朝鮮問題
第6章 中国から尖閣を守る方法
第7章 弱いオバマと分裂するアメリカ
第8章 池上・佐藤流情報術5カ条
終章 なぜ戦争論が必要か


《フランスのブルカ禁止法》
ブルカ禁止法は、「公の場で宗教的なシンボルを出してはいけない」という、フランスの政教分離の考えを徹底させるための法として定められた。

キリスト教徒が、「自分はキリスト教徒です」とばかりに、神父さんみたいな大きな十字架をぶら下げて公立学校に通うことも許されない。「だから、イスラム教徒の女性がかぶるブルカも同じことだよ」と言ったら、イスラム差別だと受け止められてしまった。

フランスではプロテスタントは多くないが、エリート層にはユグノー、カルヴァン派が多い。スコットランドもカルヴァン派が多いが、中には十字架をおかない教会もある。

もともとプロテスタントの世界では、十字架を禁止する動きがあった。これはカトリックを排除しようという動きで、フランスが世俗国家としてのアイデンティティを確立するときに、非常に重視されていた。

日本ではこの問題を、フランス側の狭量と捉える向きが多いように思える。しかし、そうとばかりも言えない。フランスは一六世紀以降、過酷な宗教戦争を経験してきた。カトリックとプロテスタントの間で、血で血を洗うような争いを繰り返した。そのような時期を通して、宗教を理由に争いあうことをやめることにした。自分の信仰を、人前に持ち出さないことにしたのだ。あとからフランスにやってきた者にも、それは受け入れて欲しい重要な決めごとなのだ。

《トルコの政教分離の状況》
ケマル・アタテュルクが徹底的な政教分離国家であるトルコ共和国を立ち上げて以来、トルコでは、公の場で女性がスカーフをかぶってはいけなかった。

ところが、現在のエルドアン大統領は、とてもイスラム的な大統領で、首相時代から奥さんは、公の場にスカーフをかぶって登場した。

二〇一三年、イスタンブールで「世俗国家を守れ」と主張する若者たちの暴動が起こった。暴動の発端は、酒の販売時間の規制だった。

これまでのトルコでは、政府がイスラムに傾きそうになると、トルコ軍がクーデターを起こしてひっくり返してきた。しかし、エルドアンは、汚職摘発を名目に軍を徹底的に弾圧し、押さえ込んだ。

世の中の動きは複雑だ。ただ、その縛りを人の命よりも大切だとする信仰で国を一つにまとめようとする動きは、どんなもんだろう。一時的に強烈な印象を残しても、誰の命も同じように大切だと、当たり前に考えられる緩やかな信仰に、その席を譲っていくことになるだろう。


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テーマ : 読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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Author:イーグルス16

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よく生き、よく死ぬために。
3000の死体を観察してきた解剖学者と400人以上を看取ってきた訪問診療医。
死と向き合ってきた二人が、いま、遺したい「死」の講義。
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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本


















































































































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