唱歌 『早春賦』
作詞 吉丸一昌、作曲 中田章によるこの『早春賦』。
作詞家の吉丸一昌は、大正の初期に何度か安曇野を訪れ、穂高町(現在安曇野市穂高)あたりの雪解け風景に感動してこの歌を作ったと伝えられています。処が北アルプスをいただく安曇野の地であれば、4月の初旬といったところでしょうか。
東京大学が、5年ほどの時間をかけて、秋入学への移行に動き出した。入学時期見直しを引っぱってきた東大の懇談会の中間報告によれば、その利点は・・・
ということなのだが・・・
大学だけでなく、日本の教育はさまざまな問題を抱えている。そして、それなりの地位についた人間は、“改革”に手をつける。莫大な経費が浪費される。しかし、ほとんどうまくいったためしがない。一時的に入試倍率が上がったりしても、それはただの真新しさだけ。教育であれば、本当の評価が出るのは10年後、20年後。そんな結果など待たずに、言い出しっぺは“倍率アップ”を勲章に出世していく。(これは高校レベルの話。“倍率アップ”なんか東大じゃ勲章なんかにならないでしょうが・・・)
“
秋入学”も、そんな、一見真新しい“改革”にすぎない。東大の低迷?が問題ならば、その原因をあきらかにして処方箋を書けばいい。その上で、「“春入学”が日本の教育の諸悪の根源である」とでもいうのならば、“秋入学”を提案する意味も分かる。
しかし、はたしてそうか。日本の教育の諸悪の根源は“春入学”か。だから結局、目先の改革でしかないのだ。はやりのグローバル化に飛びつくあたり、いかにも発想がさもしい。おそらく中心になっているのは、一人、二人、東大の歴史に名を残して駆け上がろうという野心のある人物ではないのか。本当に“改革”していかなくてはならない日本の教育の問題なぞ、そこには感じられない。
“春入学”は、すでに文化である。桜の季節、あの浮き立つようなむねの高まりと共に新たな世界に足を踏み入れる。そんな多くの人々の心に染みついた感情の動きなど、省みる価値もないのか。私は逆だ。そこにしか価値はない。
この歌で、心がときめかないか。まだつめたい春先の風に吹かれてみたいと思わないか。
・・・思わないんだろうな。だからこんなことを言い出すんだろうな。
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作詞家の吉丸一昌は、大正の初期に何度か安曇野を訪れ、穂高町(現在安曇野市穂高)あたりの雪解け風景に感動してこの歌を作ったと伝えられています。処が北アルプスをいただく安曇野の地であれば、4月の初旬といったところでしょうか。

早春賦 1.春は名のみの 風の寒さや 谷の鶯(うぐいす) 歌は思えど 時にあらずと 声も立てず 時にあらずと 声も立てず 2.氷解け去り 葦は角ぐむ さては時ぞと 思うあやにく 今日もきのうも 雪の空 今日もきのうも 雪の空 3.春と聞かねば 知らでありしを 聞けば急かるる 胸の思を いかにせよとの この頃か いかにせよとの この頃か |
東京大学が、5年ほどの時間をかけて、秋入学への移行に動き出した。入学時期見直しを引っぱってきた東大の懇談会の中間報告によれば、その利点は・・・
1 国際標準(秋入学)に合わせ留学生の出し入れを容易にし、国際化に対応する。 2 入試時期は現行通りとし、入学や卒業の前後に生じる隙間(すきま)の期間「ギャップターム」(GT)で学生に多様な経験を積ませる。 |
ということなのだが・・・
大学だけでなく、日本の教育はさまざまな問題を抱えている。そして、それなりの地位についた人間は、“改革”に手をつける。莫大な経費が浪費される。しかし、ほとんどうまくいったためしがない。一時的に入試倍率が上がったりしても、それはただの真新しさだけ。教育であれば、本当の評価が出るのは10年後、20年後。そんな結果など待たずに、言い出しっぺは“倍率アップ”を勲章に出世していく。(これは高校レベルの話。“倍率アップ”なんか東大じゃ勲章なんかにならないでしょうが・・・)
“
秋入学”も、そんな、一見真新しい“改革”にすぎない。東大の低迷?が問題ならば、その原因をあきらかにして処方箋を書けばいい。その上で、「“春入学”が日本の教育の諸悪の根源である」とでもいうのならば、“秋入学”を提案する意味も分かる。
しかし、はたしてそうか。日本の教育の諸悪の根源は“春入学”か。だから結局、目先の改革でしかないのだ。はやりのグローバル化に飛びつくあたり、いかにも発想がさもしい。おそらく中心になっているのは、一人、二人、東大の歴史に名を残して駆け上がろうという野心のある人物ではないのか。本当に“改革”していかなくてはならない日本の教育の問題なぞ、そこには感じられない。
“春入学”は、すでに文化である。桜の季節、あの浮き立つようなむねの高まりと共に新たな世界に足を踏み入れる。そんな多くの人々の心に染みついた感情の動きなど、省みる価値もないのか。私は逆だ。そこにしか価値はない。
この歌で、心がときめかないか。まだつめたい春先の風に吹かれてみたいと思わないか。
・・・思わないんだろうな。だからこんなことを言い出すんだろうな。

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