めんどくせぇことばかり 

『世界を感動させた日本精神』 黄文雄

この本では、ずいぶん、石田梅岩の心学を強調してますね。

商人は、本来、“しょうじん”であり、周に滅ぼされた“商”の遺民が生業たる農を行うための土地を与えられず、物品を移転することによって利益をあげる仕事に従事せざるをえなかったことから、これを仕事とするものを商人と呼ぶようになったという説がある。いずれにせよ、まともな人間のやる仕事ではないという認識は、古くからあったようだ。

しかし、梅岩の定義する、日本の商人違う。「商人は天下の物品を繰り回して人々の難儀を救う」者たちであるという。元来、士農工商の職分は天命であり、天職であるから、そこに上下の関係も尊卑の関係もないという。

もともと、勤勉と正直は日本人の伝統的倫理であり、その倫理観の前に職業の違いは、本質的には大きな意味を持っているわけではない。

マックス・ウェーバーはプロテスタントの倫理観、つまり節約・禁欲・勤勉が資本主義の精神に繋がったと分析する。カトリックは、個々の功徳の積み重ねが救いにつながると考えるカトリックに対し、カトリックは救いはただ神意のみによって決まるとした。仏教の因果応報の思想は、カトリックに近い。

黄文雄さんは、石田梅岩の言う商人道こそ、プロテスタントの考えに近いと言うが、その前に、“日本人”と呼ばれるものの基本的素質として、“勤勉と正直”がある


ビジネス社  ¥ 1,620

日本が好かれ、中韓が嫌われるには理由がある 台湾人だからわかる 本当は幸福な日本人
はじめに 戦後日本人が忘れた日本精神
序 章  なぜ私は日本人の「心」を探訪するのか
第一章  「水」と「森」が生んだ日本文明
第一節 日本人の「水心」
第二節 日本人の「森の心」
第二章  武士道と商人道
第一節 世界と中国が驚嘆する武士道
第二節 武士道と対等の「商人道」
第三章  日本仏教の真髄・空海と道元
第一節 日本人の心を網羅した空海の『十住心論』
第二節 時空を超えた道元の『正法眼蔵』
第四章  日本人も知らない不思議な日本の心
第一節 「もののあはれ」と「無常」
第二節 日本美の結晶「わび」「さび」
第三節 「無心」という奥義
終 章  日本的霊性と台湾的霊性

では、その“勤勉と正直”は、どのようにして身についたものか。この本は、それについてはあまり触れていない。私は、その背景に“縄文”という、とてつもなく長い時代があったんだろうと思っている。“儚さ”や“もののあわれ”への思い入れの強さは、気の遠くなるような長い期間、揺れる地面と向かい合ってきた結果であろうと考えている。

おそらく、基本的に求めるものはそこにあるんだろうと思うんだけど、黄文雄さんのアプローチは、より困難な道に、あえて挑んでいる。第一章で語られている「「水」と「森」が生んだ日本文明」というのは、まさに“縄文”を意識したものだと思う。

しかし、この本では、日本の歴史的思想家たちの思考の中から、“勤勉と正直”につながるエッセンスを抽出するという、途方もなく困難な仕事に、黄文雄さんはあえて挑んできたようだ。それだけ彼にとって、日本人の精神、最終章で言うところの“日本的霊性”というのが、いい意味で興味深く、そして世界の中でもあまりにも特別で、今後の世界にとって無くてはならない者と考えられていたからだろう。

その努力に、敬意を表します。
ただ、ここのところの、黄文雄さんの本は、やはり以前とは違う。少し前までの日本は、“戦後民主主義”が幅を利かしていて、ちょっと見、見栄えはいいようであっても、戦勝国の歴史の改変の上に構築された楼閣であったから、過去と現在が分断され、日本人の民族性と書き上げられた歴史はつながりを実感することができなかった。そんな時代にあって、黄文雄さんを含む、ほんの一握りの人たちが、“本当のこと”を私たちに教えてくれていた。それらは、とてもわかり易いことが共通した特徴だった。

それらの努力のお陰で、日本でも、大分、“戦後民主主義”の影響力は弱まった。まだまだ教科書等において、主力を構成していることは間違いないのだが・・・。それでも、流れは変わった。おそらく、黄文雄さんもそれを実感して、次の段階の仕事に入ったんじゃないだろうか。歴史の真実を訴える段階から、思想的な裏付けの段階へ。

でも、失礼ながら、私にとっては、ちょっと残念。黄文雄さんの気持ちの高ぶりは感じるんだけど、それほどには伝わってこない。あるいは、伝わってくるものに、かつて程の興味が持てない。もちろん、もとに戻してもらいたいなんてわけじゃない。この新しい挑戦を、もっと面白いものに練り上げて欲しいってところだな。




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伊豆ヶ岳から子の権現へ

どうも、猛暑の中を歩く山じゃないな。こういう時は、沢沿いの道をずっと歩いていたい。ただ、猛暑の中でも、伊豆ヶ岳の男坂は胸がすく。7月の8日(土)と14日(金)、ほぼまったく同じコースを歩いてきました。山と高原地図では、男坂はおろか、女坂まで通行禁止になっていて、あいだの道を通ることになっているらしい。でも、昔、楽しかった男坂、登れるものなら登りたい。そんなこと考えながら行ってみた。
伊豆ヶ岳 (6)伊豆ヶ岳 (7)伊豆ヶ岳 (8)
正丸駅 着いたのは7時頃正丸峠に向かう途中の祠途中にあった小高山・・・知らなかった

暑いのは覚悟の上。だからこそ早起きして、7時過ぎには歩き始めた。正丸峠から東吾野まで歩く予定。日が高くなる前に子の権現あたりまで行ければ、・・・。なんて、頭の中は昔のまま。還暦間近の、手術でようやく歩けるようになった爺いであることを忘れてた。
伊豆ヶ岳 (10)伊豆ヶ岳 (9)伊豆ヶ岳 (11)
男坂の壁伊豆ヶ岳山頂古御岳を通り越して高畑山山頂
男坂は通行禁止。見た目は分からないけど、落石が発生しやすくなってるって書いてある。行っちゃおうかご思ったけど、駅を出るときから、前後に人がいたからやめといた。“落石”じゃね。

なんて言ってる場合じゃない。天目指峠から子の権現に向けて登る頃には、暑さ負けとシャリバテ、・・・体力不足ね。足が動かなくなって、子の権現までなんとか歩いた。お店でトマトもらって元気が出たけど、東吾野に向かう気力がなくて、西吾野に下りた。
7月14日の金曜日、仕事休んで、もう一度、伊豆ヶ岳に登りに行きました。秩父方面に向かう電車の乗客は少なく、しかも仕事の人ばかり。正丸駅で下りたのは私だけ。到着は、この間よりほんの少し早くて、7時に歩き始める。
  伊豆ヶ岳 (12) 伊豆ヶ岳 (13) 伊豆ヶ岳 (14)
正丸駅全景安産地蔵馬頭観音
この間の、調子に乗ってしまった愚かを深く反省して、謙虚な姿勢で登ります。安産地蔵を通り過ぎ、馬頭観音の分岐で、今日は直接、伊豆ヶ岳を目指す。
   伊豆ヶ岳 (15) 伊豆ヶ岳 (16)  伊豆ヶ岳 (17)
橋 最初は沢沿いの道大きくしてみて、滝が二つしばらくすると、急登が始まる
この道は、とてもいい道でした。前回の正丸峠に向かう道は、最後に手すりが登場したけど、こっちにはそんなこともなく、階段もなし。尾根に上がるまでは、急登だけど、本当に楽しかった。人の気配はなく、この山塊には自分しかいないんじゃないかって感じ。気が研ぎ澄まされると、いろいろな気配が感じられて、時々、大きな声を出して、身体にまといつく気配を振り払う。
伊豆ヶ岳 (18)伊豆ヶ岳 (19)伊豆ヶ岳 (20)
ここから胸突き八丁・・・今までは?上から見た胸突き八丁 稜線に上がって、五輪山到着
ここまでの道はとても楽しかった。正丸に向かうよりいい感じ。稜線に上がったから、五輪山までわりとかかった。・・・さていよいよ問題の、男坂。
伊豆ヶ岳 (21) 伊豆ヶ岳 (22) 伊豆ヶ岳 (25)
男坂の警告どうしようかなぁ 伊豆ヶ岳山頂。いきなりガスが巻いてくる
わざわざ金曜日に仕事を休んできたのは、平日なら人がいないだろうと思ったから。案の定、この山塊に人の気配なし。落石の心配があっても、人が来なけりゃ問題なし。いつごろから通行止めなのかわからない。鎖の補修もなされていないだろうけど、鎖は使わなくても登れる。「平日の早い時間なら、誰も居ないはず」って心のなかにあって、どこかにそのつもりもあった。・・・というところまでにします。
 伊豆ヶ岳 (26) 伊豆ヶ岳 (27)伊豆ヶ岳 (1)
古御岳についた頃には日差しが美しい天目指峠付近の祠 
私が不埒な行為に及んだかどうかって?・・・いずれにせよ、蒸し暑さはこの間以上だったものの、きつい上り下りの連続のところで強い日差しがなかったこと、ハッとするような美しさに出会えたことは、恵まれていた。
伊豆ヶ岳 (2) 伊豆ヶ岳 (3) 伊豆ヶ岳 (5)
おそらく伊豆ヶ岳と古御岳子の権現山門吾野駅前売店 うどん食った 
ここまで、この間よりも遥かに楽に歩けた。ここから見ても、あの稜線の下ったり登ったりは厳しいな。鎖場はともかくとして、まずまず動けたことが大収穫。今日は西吾野ではなく、吾野に向かうことにした。
 吾野
ヤマレコでは登山道登録されてなかったんだけど、★の子の権現から、スルギ尾根を通って吾野に降りる道がある。標識とかは少ないが、何箇所か注意を要する場所があるものの、道はそんなに不確かではない。下り基調を気持ちよく歩いた。子の権現を11:30ころ出て、吾野についたのは14:00。最後の急な下りは足に来た。




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経済同友会『勇敢な日本経済論』髙橋洋一×ぐっちーさん

日本経済新聞 2017/07/14
「支持率恐れず消費増税実施を」 同友会、政権に求める
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS14H2I_U7A710C1EA4000/
(抜粋)
経済同友会は14日、長野県軽井沢町で開いた夏季セミナーで、日本経済の持続的成長に向けた提言をまとめた。財政再建について「持続可能性のための最重要課題の一つだ」と指摘し、「短期的な支持率の変動を恐れずに2019年10月の消費税率10%への引き上げを求める」と強調し、計画通りの増税実施を安倍政権に求めた。
(続きを読む)に全文
“商人道”もへったくれもない。“金の亡者”の方がふさわしい。しかも、この亡者たち、国家意識もへったくれもない。財務省の言いなりで、自分の頭で考えることさえ放棄するようになっちゃあ、お終いよ。

消費税を8%にあげた時、なにが起こった。それで景気が低迷したから、10%への引き上げを先に伸ばした。10%に引き上げれば、また景気が低迷するのは間違いない。おそらく、社長さんたちもわかっている。わかっているのに、こんなことを言っている。どうでもいいんだ。日本がどうなっても。


高橋洋一さんとぐっちーさんたちが、「《財政再建のための消費税率の引き上げ》はなんの意味もない」って繰り返し言ってることも知らないはずないのに、そういった反論には耳を貸さず、ひたすら財務省のご機嫌をうかがって消費税率の引き上げを求める。

上記のニュースのもとになった、《2017 年度(第32 回)夏季セミナー軽井沢アピール2017「持続可能な社会の構築に向けて」》っていうのが同友会のホームページにある。コピーでここに紹介できないので、〈https://www.doyukai.or.jp/policyproposals/uploads/docs/170714a.pdf〉←こちらで確認してください。
その中に、こんなふうに書かれている。《安倍政権には短期的な支持率の変動を恐れず、国の将来を見据え、プライマリー・バラスノ黒字化に向けた現実的かつ具体的な目標を示すとともに、2019年10月の消費税率10%への引き上げの確実な実施を求める》と書かれている。

まるで、中共や韓国政府のように、道徳的優越の立場に立って、政府に教え諭している。・・・なにさまだ。


『勇敢な日本経済論』   髙橋洋一×ぐっちーさん

講談社現代新書  ¥ 864

3時間読むだけで、これからのお金のことがスッキリ見えてくる自己防衛の人生指南書
第1章  「トランプはバカじゃないからこう付き合え」
第2章  「円安が国益か、円高が国益か」
第3章  「財政再建はもう終わっている」
第4章  「アベノミクスをどう評価するか」
第5章  「規制緩和はなぜ進まないか」
第6章  「地方活性化になにが必要か」
第7章  「少子高齢化はチャンスだ」

負債が先行したら、会社ならどうする。“入る”を増やす努力をするのは当然として、同時に“出る”を減らす努力をするわけだ。会社と違い、“入る”は税金が多くを占めるから、増やすにしても最後の手段とするべき。その前に、贅肉を削ぎ落として“出る”を減らし、緊急性のない保有資産を売却されなければならない。だけど、そんなことが行われる気配はまったくない。民営化には、全身全霊を込めて妨害する。ふざけすぎだ。

だから、消費税率を上げたい財務省の本心は、“財政再建”にはない。・・・ここまでは、素人でもうすうすわかる。じゃあ、なんで、頭の良い財務省の人たちがそんな訳のわからないことを言うのか。・・・それがこの本を読んでよ~く分かった。

高級官僚が、甘い汁を吸うために天下り先を温存する。普通の企業なら会社が潰れそうなら、まず関係子会社を切り離す。それがダメならリストラ。つまり、天下り先の特殊法人を整理して、それでダメなら官僚の数を減らす。そんなことになっちゃあ困るから、最初から税金増やして・・・。

経済同友会は、そんな財務省のやり口に手を貸しているわけだ。




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『地図で見るロシアハンドブック』 パスカル・マルシャン

日本の周辺には、自分の国の都合で、いくらでも嘘をついて、それでいてちっともそれを恥と思わない国が多い。・・・多いというか、北東アジアについてはみんなそう。韓国なんか、自分が嘘をついていることにさえ気づいていない有り様。

考えてみれば、第ニ次世界大戦の結果を前提に出来上がった今の世界。第二次世界大戦自体がスターリンと、スターリンの指導するコミンテルン、そのコミンテルンに薬をかがされたフランクリン・D・ルーズベルトの都合で創造された“事実”を前提とする戦争で、創造された“事実”を前提に作り上げられたのが今の世界ですから、第二次世界大戦を前提に正当性を主張する輩はみんな嘘つきの仲間ということになる。

まあ、それを言ってると、もう一度、世界を相手に戦争をする羽目になりかねないからやめておこう。世界の大半の国も、多少なりとも、その後ろめたさを感じられる人間性を持った国は、あまり問題にしたがらないしね。

ただし、日本は、近隣にそういった国を持ってない。北東アジアは、特別な世界としか思えない。どうしてこんな国しかないんだ?意思を持った“生成と滅亡の物語”を繰り返チャイナ。人の希薄な地域へ拡大して迷惑を撒き散らすロシア。この両大国は、最近共産主義にかぶれて、世界に大きな迷惑をかけた。もちろん反省どころか、悪いとさえ思ってない。あとは、北と南の“半島国家”。“半島国家”は、周りに迷惑をかけることが定められた国際分担と勘違いしているに違いない。

こんなことを書いていると、絶望するばかりだな。

なかでも、今日ご紹介するのはロシアの本。


『地図で見るロシアハンドブック』    パスカル・マルシャン

原書房  ¥ 3,024

ロシアが抱える現在の問題と新たな課題を理解するための100以上の地図とグラフ
十字路に立つヨーロッパ
ロシア全図
世界最大の広さをもつ国家
大国の切り札と課題
ロシアの地政学的利点
ユーラシアは大きな変化に向かう?

この本は、ロシアという国の成り立ちから始まる。それがおかしいんだ。ロシアっていう国は、“なるべくしてなった”国家とは思えないんだな。

《いがみ合うことに疲れたスラブ諸民族が、ヴァイキングの王たちに支配を頼んだ》のがロシアの始まりだっていうんだけど、ヴァイキングならノルマン人で、ロシアの語源であるルーシっていうのは、どうやらスラブ人がノルマン人を読んだ名前らしい。

そういった人造国家がロシアの起こりで、誕生したのはバルト海と黒海の間であったらしい。・・・あれ、地図で見るとウクライナだね。そこから乱暴な彼らが目指した先がコンスタンティノープルだった。首都をキエフにしたのは、コンスタンティノープルへの侵略を用意にするためだと言うんだから、コンスタンティノープルも迷惑な話。

コンスタンティノープルは、侵略者を改宗させることでおとなしくさせることにした。ルーシのウラジミール公は、東ローマ皇帝の妹を妻に迎え、大公の称号を授かってギリシャ正教を受け入れた。

その後、モンゴル人に支配される時代となり、ルーシにもスラブ人にも、モンゴル人の血がまじる。上流階級ほどその傾向が強かったらしい。“タタールのくびき”から解放される。それに先立って、コンスタンティノープルがオスマントルコに滅ぼされると、“正教”と“ローマ”の後継を名のることになる。

・・・あれ、なんだかロシアって、その心の様が“半島国家”に似かよってるような気がしてきた。
これは一番最初の、《ロシアの記憶とアイデンティティ》という項目の内容、・・・の一部。だから、濃い本ですよ。でも、ロシアのすべてに興味があるわけじゃないしね。“ハンドブック”という名称だし、“データブック”と言ってもいい内容。すべてを読んでどうのこうのと言うより、ニュースに合わせて、すぐに調べられる便利さが真骨頂って本かな。図版はすごくたくさんあります。




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トランプ『勇敢な日本経済論』髙橋洋一×ぐっちーさん

「アメリカとの戦争なんて、私は最初から大反対だった」とか、「勝てるはずがないことは、最初から分かっていた」とか、あとになって言うやつらはいくらでもいるが、戦争が始まる前にそんなことを言ってたやつは、実際にはいやしない。そういう話を聴いたことがある。いやいや、非常によくわかる。似たようなケースはいくらでもある。たとえば、トランプが勝った、アメリカ大統領選でも、同じようなことが起こった。

アメリカの大統領選挙は、足の手術で入院しているときだった。トランプが勝ったということにアメリカのマスコミはいろいろな形で危機感を表明していた。同時に、「そうなるんじゃないかと思っていた」という声も登場した。

実は、私もその一人。でも、本当に、本当に、「そうなるんじゃないかと思っていた」なんて、いくら繰り返しても何の意味もないよね。

プレグジットでもそうだったけど、アメリカ大統領選でも、およそ半分の人たちは、マスコミの考えとは反対側にいたわけだ。半分だよ、半分。考えればものすごい数の人たちを、マスコミはバカにしきっていた。

「マスコミが負けた方が面白い」・・・そう思うもんでしょ、普通は❢

「TPPからは抜ける」とか、「公平な防衛分担を求める」とか、いろいろと大きな花火を打ち上げているよう扱われたけど、そんなに突飛な問題提起ではない。当然ありうる打ち上げ花火で、例えば日本に関する防衛分担の要求でも、当然想定されていたはずで、そんなに大したこととも思えない。

アメリカには人種差別も性差別もたくさんあって、アメリカの庶民はそういう世の中に生きている。インテリさんは、ただ言葉狩りをするだけで、そういう差別主義者から自分を隔離することができるんだろうが、生な差別の中に生活する庶民には、そんな甘い生き方は許されない。

それを、大統領を目指す男が口に出した。トランプを支持したのは、生な差別の世界に生きるアメリカ人だ。


『勇敢な日本経済論』   髙橋洋一×ぐっちーさん

講談社現代新書  ¥ 864

3時間読むだけで、これからのお金のことがスッキリ見えてくる自己防衛の人生指南書
第1章  「トランプはバカじゃないからこう付き合え」
第2章  「円安が国益か、円高が国益か」
第3章  「財政再建はもう終わっている」
第4章  「アベノミクスをどう評価するか」
第5章  「規制緩和はなぜ進まないか」
第6章  「地方活性化になにが必要か」
第7章  「少子高齢化はチャンスだ」


トランプのことよりも、もっと大きな問題がヒラリーにあったよね。私は個人的に、民主党のアメリカに大きな問題があったと思ってるんだけどな。

話を広げずに、ヒラリーのこと。もう、ビル・クリントン大統領夫人の段階で嫌いだったから、この人が大統領になるなんてね。まあ、私は日本人だから、アメリカ人がだれを選ぼうが知ったこっちゃないけどさ。

その辺、この本にも書いてある。《鼻持ちならない女》だってさ。

夫のビル・クリントンと一緒に地元のアーカンソーに戻ったとき、ガソリンスタンドでヒラリーの元ボーイフレンドが働いていたんだそうだ。それでビルが、「良かったね。もし僕と結婚していなかったら、君は今ごろ彼の奥さんとしてこのスタンドで給油してたかもしれない」って言ったら、すかさずヒラリーが、「違うわ。もしそうだったらあなたではなく、あの男が大統領になっていたのよ」

・・・いやな女。

その分、モニカ・ルインスキーちゃんがかわいく見えたに違いない。




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『アダムのリンゴ』 小泉牧夫

混沌たるカオスから生まれた大地ガイア。ガイアは自らの力で天空ウラノスを生み、ウラノスと交わってティタン族を生んだ。ティタンは英語でタイタンと発音するが、日本語ではチタンともいう。原子番号22で原子記号はTi。軽いわりに強度が強く、産業でも先端分野で重宝されているという。

話題になった「進撃の巨人」、英語のタイトルは“Attack on Titan”。そんな最近の話題を出さなくても、…私には十分に最近…1911年に大氷山に衝突して沈没した豪華客船は“the Titanic”だった。
あ~、こんな話を読んでると、なんだかとても頭が良くなったような気がして気持ちいい。・・・そんなわけで、とっても気持ちのいい本の紹介です。

題名にもなっている“アダムのリンゴ”とは〈のどぼとけ〉のこと。イブに進められてリンゴを口にしたところを天使に見とがめられ、慌てて飲み込もうとしたら、のどに引っかかっちゃったんだよね。そんな、創世記や、上に書いたギリシャ神話の話から始まって、歴史の成り行きの中から生まれた、英語の面白い言いまわしや言葉の数々を一挙に紹介した本。

神話や歴史の中の話が、思いもよらない言葉を生み出しているのも面白い。上で紹介した大地の女神ガイア。Gaiaは、ラテン語や英語ではGaeaと書かれ、またの名を「Ge」と書いてゲーともいう。geology「地質学」、geography「地理学」、geopolitics「地政学」なんてところに使われてくる。

ギリシャ神話の中でも人気の話の一つのクピドとプシュケの物語。このプシュケはpsycheと書くが、古代ギリシャのもともとの意味は「息・呼吸」で、派生して「命・心・魂」。ここから、「心・魂」に関連する語にプシュケが使われる。psychologu「心理学」、psychiatry「精神医学」、psychic「精神的な」、psycho「精神病患者」。こうなってくると、プシュケもびっくり。



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のどちんこにはリンゴが詰まっている 歴史から生まれた世にも面白い英語
〈古代ギリシア編〉
〈古代ローマ編〉
〈中世編〉
〈近世前編〉
〈大航海編〉
〈近世後編〉
〈アメリカ大陸編〉
〈近代編〉
〈2つの世界大戦編〉
〈戦後・21世紀編〉

近代、現代、そして今も、次々と新しい言葉って作り出されてるんですね。それは英語だけじゃなくて、どんな言葉でも同じこと。もちろん日本語もね。ただ、日本語で心配なのは、かつて外来の言葉が入ってきたとき、知恵を絞って新しい日本語を創造していったのに、最近は、それをカタカナ言葉のまま使っているだけ。向こうの言葉でその概念をつかめる人はいいけど、そうでない奴は置いてけぼり。“つかめる人”と、“つかめない人”の二種類に人種が、日本人内部に作り出されつつあるように感じる。

その点、日本にもトランプが必要か?

おもしろかったのは、英語とフランス語の関係。牛はoxでも、皿に乗るとbeef。羊はsheepでも、皿に乗るとmutton。豚はpigでも、皿に乗るとpork。

この本に関してはずいぶん書いてしまった。このくらいにしておこう。
おそらく、欧米人以上に、日本人の方がこういう本をおもしろがっているだろう。

言葉には力がある。“アブラカダブラ”は魔法の言葉。「私の言ったとおりになれ」って呪文が意味を持つ世の中が、かつては世界に広がっていた。一神教の神様が“魔”の世界のすべてを屈服させていっても、言葉は残った。言葉には思いもよらない意味があって、知ってか知らずか、それを口にするたびに、・・・“アブラカダブラ”、言葉に隠されたその意味が、きっとそのうち目を覚ます。

わずかに、いまだにそんなことを信じている人もいる。実は、私もその一人。すでに二人の子供は独立しておりますが、とにかく汚い言葉は使わないように言い聞かせました。





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ジップンチェンシン『世界を感動させた日本精神』 黄文雄

《ジップンチェンシン》って、なんだか分かりますか。

台湾で使われている言葉で、漢字で表せば、《日本精神》だそうです。“日本時代”に日本人が台湾残したもので、年配の台湾人の方からよく聞かれる言葉だそうです。

日本人が追い出されて、国民党軍が進駐することによって始まった台湾の戦後。「犬が去って豚が来る」と表現されたこのできごと。「アメリカは日本に二発の原爆を落としただけだったが、台湾には蒋介石を投下した」という言い方もあるそうです。なにしろ、国民党軍が起こした二・二八事件と白色テロの時代が数十年間続くわけですからね。比べるべきものでもないけど、台湾人にしてみれば、“二発の原爆よりも強烈”とまで言いたいわけですよね。

なにしろ、その前もあとも、そこには台湾人がいたわけで、彼らはその前もあとも、よく知っているわけだ。そして、あとから入ってきた国民党軍の兵隊たちの様子を《支那人根性》とあらわし、去っていった日本人の様子を《日本精神》という言葉で表したわけだな。

そこに自然に付加されているイメージは、前者が、無法・違法・私腹を肥やす・台湾人に難癖・集団汚職・不正・賄賂といったものであり、後者が、勇気・勤勉・誠実・奉公・法治・伝統的美徳といったものでした。



ビジネス社  ¥ 1,620

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第一章  「水」と「森」が生んだ日本文明
第一節 日本人の「水心」
第二節 日本人の「森の心」
第二章  武士道と商人道
第一節 世界と中国が驚嘆する武士道
第二節 武士道と対等の「商人道」
第三章  日本仏教の真髄・空海と道元
第一節 日本人の心を網羅した空海の『十住心論』
第二節 時空を超えた道元の『正法眼蔵』
第四章  日本人も知らない不思議な日本の心
第一節 「もののあはれ」と「無常」
第二節 日本美の結晶「わび」「さび」
第三節 「無心」という奥義
終 章  日本的霊性と台湾的霊性


《日本精神》という言葉に、自然と付加されているイメージは、台湾人にしてみれば、“武士道”という言葉に集約されるもののようです。だけど、武士道ってのも難しいですよね。イメージだけで使ってる分には、まあ、そんなに当たり障りがあるわけではないんだけど、その中にある日本人らしさを厳密に捉えなおそうとすると、非常に難しい。

“道”ってのが、好きなんだなあ。・・・日本人はさ。自分の目の前にある“そのこと”に、懸命に精進すること。懸命に精進することの、その先になにがあるのか。基本通りに言うならば、解脱でしょ。

鈴木正三という、武士出身のお坊さんが、百姓から、「自分立場畑に追われて仏道に励む暇もない」と嘆かれ、「炎天下、ひとえに畑に励むことそれ自体が仏道」と諭したとか。

そこから、精進の対象は無限に広がった。柔道・剣道・弓道・華道・茶道・相撲道・野球道。武士道も、その中の道にすぎない。“そのこと”に懸命に励むことを“ひたすら”と言いかえれば、“ひたすら”の道。仏道とは言っても、それはあまりにも日本的な心のあり方に通じる。

“明き心”とか、“正直”とか、“誠”とか、“真”とか、“美”とかいった、仏教以前の、大自然を前にして、何者にも恥じない心のあり方ですよね。

だから、「これでいい」ってところがないんだ。生きていれば、常に精進を続けなければいけないし、プラス・マイナス差し引きしてプラスになればいいってもんでもない。ただひとつの“卑怯”を“恥”と刻んで、自分を戒め続ける必要がある。しかも、人はだれでも、そんな“恥”の一つや二つ、三つ四つ五つ六つ・・・、持ってるもんだから、どうにもならない。

へりくだった生き方は、人に対してじゃない。そんな自分が見ているからね。




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『深夜食堂 17』 安倍夜郎

あれ、今ブログで確認したら、この前紹介したのが14巻・15巻で、16巻を飛ばして17巻になってしまった。びっくりびっくり❢ 16巻が出ていたのを知らずにいました。・・・まあ、あとになろうが、先になろうが、『深夜食堂』の場合、大した問題じゃない。

ということで、とりあえず17巻の紹介から。16巻はこれ書いたあと買いに行きますが、それなりにほとぼりが冷めた頃、紹介したいと思います。

そうは言っても、この本は《深夜食堂》、16巻よりも17巻が先になったからと言って、何かが変わるわけじゃない。夜の12時から朝の7時なんて、ふざけた営業時間の店に通ってくるような客たちには、何ごとも起こせない。

そう、どうせ《深夜食堂》には、何も起こらない。そこに集う客たちの私生活がどんなに変わっていようと、ドロドロだろうが、サラサラだろうが、目をそむけたくなるような惨状だろうが、抱きしめたくなるような切なさだろうが、《深夜食堂》における彼らは、いつまでもこの店が続いてほしいと願う一人の客でしかない。だから、《深夜食堂》には、何も起こらない。


『深夜食堂 17』    安倍夜郎

小学館  ¥ 823

営業時間は夜の12時から朝7時まで できるもんなら、何でも作るよ
お品書き
第226夜  天津チャーハン
第227夜  肉うどん
第228夜  あったかポテサラ
第229夜  高野豆腐
第230夜  ブリ大根
第231夜  うずらの卵入り肉団子
第232夜  白菜とサバの水煮缶鍋
第233夜  ささみチーズカツ
第234夜  新玉ねぎのホイル焼き
第235夜  きゃらぶき
第236夜  ビスマルク風
第237夜  カツオのタタキ
第238夜  ガリ 新生姜の甘酢漬け
第239夜  A定食

“肉うどん”のあつ子さんのように、モーテルの受付兼雑用の仕事をしている母親の息子、けっこうな不良の面倒を見たことがある。ちょっとしたことで、すぐカッとなる。そんな奴がボクシングなんかやってるもんだから、よけいに始末に負えない。結局、1年もしない間にしでかしてしまって、私との縁も切れてしまったが、あつ子さんの息子のように、年上の女でもできれば、あいつも違う道があったかもしれない。

ドキッとしたのは、“高野豆腐”のミワ子さん。私も、大好きな女の子に、悪さばかりしてた口だ。ふだんは直球勝負だから、直球で勝負ができなくなると、歪んじゃって歪んじゃって、もうたちが悪い。反対側に360度回って変な思いのぶつけ方をしかねない。今考えても、危ない、危ない。


私のミワ子さんは、一番の優等生と、地元の秩父で結婚しちゃった。秩父の方角の空を見上げると、何かと切ない。

男に走って子供を捨てた女を、けっこう身近なところで3人知っている。おもしろいもんで、類は友を呼んで、そろいもそろって、同様の仲間を持っている模様。その“友”がたきつけているようにさえ見える。たきつけられて、自分を正当化しているように見える。

私の見る限り、子どもはそんな母親の後を追わない。新しい母親ができた女なら、子どもはそのおっぱいを選ぶんだ。“白菜とさばの水煮缶鍋”のトワ子さん、事情はあっても、子どもを捨てた事実は、死ぬまでついてくる。だから、《深夜食堂》に通うんだな。

だから、《深夜食堂》が必要なんだ。だから、みんな、《深夜食堂》に、日ごろのごたごたを持ち込んだりしない。私も持ち込んだりはしなかったつもりなんだけど、いつの間にか気軽に立ち寄れる飲み屋が無くなっちゃった。

まあ、いいや。金もないしね。今夜も、連れ合い相手に飲んでるうちに、眠くなっちゃうんだよな。



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『習近平の中国』 林望

産経ニュース 2017/07/08
「ウルムチから1万人消えた」「拘束ウイグル人を返せ」 在日ウイグル、チベット、モンゴル人らが中国大使館に抗議デモ
(全文)
日本ウイグル連盟のトゥール・ムハメット会長(53)らが8日、2009年7月、中国の新疆ウイグル自治区のウルムチでデモ隊が虐殺された2009年ウイグル騒乱(ウルムチ事件)に抗議するデモを行い、中国大使館前で「ウイグル人への虐殺をやめろ」などと訴えた。

(続きを読む)に全文

朝日新聞の《中国総局員》を務めた方が書いた本。そういや、昔、朝日新聞にいた植村隆という人も、特派員としてシナにいたことがあったよね。《中国総局員》っていうのは特派員よりも偉いのかな。

今の中国共産党の支配するシナを、できるだけ偏見を交えずに読むものに伝えようとする、“ある意味”の誠実さは感じる。

薄煕来が重慶で、開放改革で置き去りにされた多くの人たちの不満を、毛沢東の“文革”路線にまとめ上げて、北京に存在感を示した頃。著者は重慶に乗り込んで、「イデオロギー色を抑えた方がいい」と発言して会場を凍りつかせたそうだ。

他にも、同様の経験があったことが、この本の中でも紹介されている。それはそれで、勇敢なことだったに違いないが、彼は朝日新聞の《中国総局員》であったわけで、それが最近流行りの“レッドライン”を超えるのかどうか、見極めがなかったはずがない。


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五年に一度の党大会を前に、その一強体制を盤石にしたように見える習近平指導部

序章  習近平の描く夢
第一章  勃興する大国、波立つ世界
第二章  中国式発展モデルの光と影
第三章  十三億人を率いる党
終章  形さだまらぬ夢
読んでよかった。・・・それは本当。

著者は、いい人なのだろう。現在の、中国共産党の支配するシナを理解する上で、たいへんいい勉強をさせてもらった。だけど、若い柔軟な頭を持った人は、この本を読まないほうがいいな。
中国が歴史的に見て偉大な文明大国であり、多くの文化や価値観を生み出してきたのは間違いない。王岐山はフランシス・フクヤマらとの会談で、「中国文化の中には優秀なDNAがある」と述べ、その歴史と伝統への自負を語った。しかし、中国文明の遺伝子は、さまざまな文化や遺伝子が混じりあい、諸子百家と言われた思想家たちがそれぞれの思想を競ったような社会の多様性と寛容さの中で育まれたのではないか。国境を越えて人々を受け入れるソフトパワーを生むのは、人々の声や考えを押さえつけ、同じ方向を向かせようとする政治の力ではあるまい。人民元以外のどんな価値を世界に示していくのか。台湾や香港、そして少数民族の人々の抗議は、中国が今後向き合う重い課題を映し出しているように思える。
本書p212
これにいたっては、言葉もない。《諸子百家》を《“寛容の中で育まれた”思想家たちの意見の競い合い》とはね。商鞅や韓非子の法家思想を採用した秦は、“戦国の七雄の”他の六国を攻め滅ぼしてシナを統一したっていうのに。

それに、この文章、シナのことを言ってない。中国共産党にかこつけて、本当に非難しているのは“安倍政権”でしょ。

そんな他愛ない相対化をしたがために、中国共産党の“巨悪”まで矮小化してしまっている。・・・うっ、そう思えば、実に巧妙だ。中国共産党にかこつけて、安倍政権に斬りつけるとともに、中国共産党に対するきわめて優秀な弁護人の役割を果たしている。

やはり、読んでよかった。




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出歯亀『アダムのリンゴ』 小泉牧夫

《もしあなたが公園で愛の交歓を行うのならば、痴漢にのぞかれることを覚悟しておいてほしい。覚悟の上で、のぞいている人々が感動してしまうようなSEXができたら、あなたはもう性の達人である》

・・・なんか、・・・感動的だ。

昔、女の子と一緒に、夜の新宿中央公園に言ったことがある。・・・止むに止まれず。・・・もちろん、その娘は今の連れ合いですが。その時も、“ピーピング・トム”君がいました。いや、日本人ですから、“出歯亀”と、正しく呼びましょう。

《明治末期、池田亀太郎という植木職人がいて、女湯を覗くなど変態的なことをして逮捕された。その男が“出っ歯の亀太郎”だったために「出歯亀」と呼ばれるようになった》・・・ということだ。

それは、私が止むに止まれぬ行動に及ぼうとしたその時、斜め前の植え込みに興奮に割れを抑えられなくなったやつがいて、大きく動揺した。植え込みの動揺に石を投げ込むと、「痛えじゃねえか」と抗議の声。

逆に大きく動揺した私たちは、そそくさとその場を立ち去ったのでした。

そんな私たちですから、その頃はもちろん、その後も、“性の達人”の道は、遠く険しいものとなったのでした。



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のどちんこにはリンゴが詰まっている 歴史から生まれた世にも面白い英語
〈古代ギリシア編〉
〈古代ローマ編〉
〈中世編〉
〈近世前編〉
〈大航海編〉
〈近世後編〉
〈アメリカ大陸編〉
〈近代編〉
〈2つの世界大戦編〉
〈戦後・21世紀編〉

ピーピング・トムの語源は、少し趣が違う。
イングランドのほぼ中央にコヴェントリーという町がある。この地で起こったあるできごとによって“誕生”した表現にpeeping Tom がある。

時の領主レオフリックが重税を課していたために、住民は苦しみに喘いでいた。それを見かねた妻のGodiva「ゴダイヴァ」が、夫に「税金を軽減して欲しい」と頼むと、「もしお前が裸で馬に乗って町中を回れば税金を安くしよう」と答えた。妻は、町中の人に家のドアを締めて窓に覆いをすることを約束させて、これを実行に移した。

だが、仕立て屋のTomだけが、誘惑に負けてゴダイヴァの姿を覗いてしまった。その罪でTomは目を潰されたという。それから、「性的興味で覗き見をする人」をpeeping Tom と呼ぶようになった。
本書p76

亀太郎さんも、警察に逮捕されて、罪を償う羽目になったわけだけど、まあ、どんな罰をくださ得れたか知らないけど、“目を潰される”ことはなかったでしょう。Tom の目を潰すことを決めたのは、一体誰だったんだろう。

領主ということは、まずないだろう。妻の裸を見られたのが悔しいなら、最初から裸で馬に乗れなんて言わなければいい。妻がそんなことをするわけがないと思って言っちゃったけど、いざやることになると、覗いたやつが許せないということはあるかもしれない。

領主の妻。これはあるかもしれない。「みんなのために、恥を忍んでやったのに」ってね。だけど、税の軽減のために、みずからの恥を忍ぼうという女が、「Tom の目をつぶして」というのも考えづらい。

いずれにせよ、領主か、領主の妻が「Tom の目を潰せ」と言ったのなら、二人とも“性の達人”からはほど遠い人間だっただろう。

住民が、「みんなのために恥を買って出てくれた奥方様の裸を覗くとは・・・」と、Tom の目をつぶしたというのがだとうなところか。

Godiva は、フランス語読みでは「ゴディヴァ」。そう、ベルギーのチョコレート屋さんだな。「裸で馬にまたがる長い髪の女」はゴディヴァのチョコレートのイラストに使われているんだそうだ。

・・・この本、面白すぎる。




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こんな本、あんな本


この本、今でも売れてるんですね。何時頃読んだんだろう。記憶も定かじゃないけど・・・。この男の子が嫌いでね。涙が出た。白血病で入院してた女子高生にこの本を送ったことがある。感想、聞かせてもらってないな。



中学1年で読んだと思うんだけどな。アレクサンダーの伝記。夏休みの読書感想文で郡市の大賞を取ったんだ。「アレクサンダーによって異なる国や民族が一つの領域にまとめられたように、いつかこの世界も・・・」・・・なんてことを書いた。なんだか、アメリカがやろうとしてるよね。・・・当時はそれがいい事のように思ってた。



高校で山岳部に入ったんだよね。もとが山ん中だからさ。そんでもって山岳部っていうのもどうかと思ったんだけど。この本を読んじゃったもんでね。入部したての1年の夏休み、北鎌尾根から槍に登った。・・・記憶に誤り。取り付いただけだった。



今みたいに女の裸が氾濫している時代じゃなかったわけですよ。私の中学生時代っていうのは・・・。そんな時代なのに、中学校の図書館に置いてあったんですからね。この表紙の本が・・・。手にした理由はもちろんこの表紙の女。・・・もちろんそんなことは誰にも言えない。ただ、以前から無類の本好きであったことは功を奏した。それに加えて、私は以前からのSFファンということになった。この本を不自然なく手にするために・・・。
やられた本












































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